|
Jは早番勤務なので、毎朝5時半に家を出る。
私は8時もしくは9時の出勤なので、Jが仕事に行く時間にはまだベッドの中でゴロゴロ&ウトウト。 ところが先日、出かけていったばかりのJからいきなり電話がかかってきた。 ...どしたの?忘れ物?...と寝ぼけた私が聞く前に、興奮しきったJの大声が私の耳に飛び込んできた。 「ラクーン!ラクーン!」 Raccoon?アライグマ?...がどうしたって? やたらと興奮しているらしいJは早口で続ける。 「玄関の横にアボカドの木があるでしょ?そこにデッカいラクーンがいるよ!!! 行ってごらん!!!」 行ってごらんといわれても...私、寝てたのよ~。 頭はボサボサ、短パン+ヨレヨレのタンクトップ...いくら早朝とはいえ、これで外に出るのはためらわれる。 でも好奇心には勝てなかった。 まだ早朝は冷えるので、その辺に散らかってる服を適当に着込んで、一応カメラも手に... あ、そうそう...コンタクトも入れなきゃ。 (目がとっても悪いのです) そんな風に時間を取っちゃったので、もうアライグマくんはどこかに行っちゃったかなあ。 そう思いつつも一応外を覗いてみるか...玄関のドアを開ける。 さ、寒~い! あ!いる~~~~~~~! で、でっか~い! 10㎏くらいありそうな大きなアライグマ! 手前の葉っぱがアボカドの木ね。 ちなみにアライグマくんが乗っているのは、パーキングの屋根の上。 屋根の上に転がってる黒い塊は、熟して落ちて、そのまま乾いちゃったアボカドの実。 アライグマくんは真っ黒になったアボカドを両手でひっくり返したりしてチェックしてたみたいだけど、 アボカドって動物には毒になることもあるって聞くし、果たして食べてみたのかは疑問だな~。 うーん、やっぱり夜の動物撮影は難しいよ~。 ブレブレじゃん。^^; それにしてもアライグマくん、見ての通り、フラッシュを焚いて撮ったのに、動じない動じない...(笑) そのうちアボカドの木をズリズリと伝って屋根から下りてきて...どこかに行っちゃった。 ところで我が家は別に山の近くとかそういうわけではない。 新しいビジネスエリアと古い住宅街の境界線あたりにあって、フリーウェイや大型ショッピングモール、 高層マンションや大きなホテルなども近く、すぐそばの大通りも交通量が多い。 どちらかといえば、オレンジカウンティの中では「やや都会」である。 (日本の都会と比べたら、南カリフォルニア一帯自体ものすごいイナカだけど...) そんな場所に、こんなアライグマがいったいどこからやって来たのか?? Jは、飼われていたのが脱走したのかなあ?とかいってたけど、う~ん、これはきっと野生のだと思うよ。 (※現在アメリカではアライグマを飼育するためには許可証が必要。ウィスコンシン州では飼育は違法) といったものの、やっぱりこんな街の中のいったいどこに住んでいるのか...??? こちらの住宅街で見かける可能性が高い野生動物といえば... どこにでもいるリスを除けば、オポッサムとスカンクではないかと思う。 以前私が一人で住んでいたサンディエゴのアパートでも、オポッサムが現れたことが何度かあった。 オポッサムって何じゃ?という人のために一応説明すると...猫ほども大きさがあるネズミである。 これがそのときのオポッサムくん。あんまりクリアには撮れなかったけど。^^; ちなみに隣家の屋根の上。 今のアパートの周りでも、夜明け前にガサガサしてるオポッサムを見たことが何度かある。 気の毒なことに、よく車に轢かれちゃうんだよね、彼ら。 なんでもヘッドライトに照らされると硬直しちゃうとかで、逃げられずにそのまま轢かれちゃうんだってさ。 野生のスカンクは...生きているのはこれまでに2度しか見たことない。 可哀相なスカンクもよく交通事故にあっちゃうんだけど、轢死体がかなりの範囲にわたってものすごく臭いニオイを振りまくので、事故現場を見なくても、あ、近くでスカンクが轢かれたな...ってわかるの。^^; ま、オポッサムとかスカンクはそんなに大きくないから、たとえば物置の屋根裏とかそういうところに住んでいるといわれても納得がいくけど、アライグマは大きいのに...やっぱりどこに住んでいるのか謎だわ。 我が家は2階建ての建物の2階で、玄関は15段ほどの階段をのぼったところにあるのだけれど Jが外に出たとき、アライグマくんはなんとその階段の下から二段目くらいのところにいたらしい。 まだ辺りは暗かったので、Jは一瞬、自分がドアを開けたときにスルっと 外に出てしまったみいちゃん かと思い、一瞬本気で焦ったそうだ。 わはは...まあ、なんていうか、似てるかも...特にその下半身がモッサリした体型...^^; アライグマは、北はカナダから南はパナマのあたりまで、アメリカ国内ではアラスカとハワイを除くほぼ全州に渡って「普通に」生息している野生動物らしい。 けれど、実は日本国内でもかなり野生化したアライグマが見られるとか。 もちろん、元々日本にいた生き物ではない。 じゃあいったいどうして...?というと... これのせい↓ ^^; いや~、私もTVで見てたな~子供の頃。 アニメ「あらいぐまラスカル」が大人気となり、アライグマをペットに欲しがる人が急増。 そのため一時期日本へのアライグマ輸入量は、一説によるとなんと一年で1500頭だったとも。 (その後、日本国内で飼育下にあったアライグマの総数は2万頭を超えるとか) しかしもともと家畜でない生き物であるアライグマをやがてもてあます人が増え... (成獣になると自然と気性が荒くなり、凶暴化する個体が多いともいわれる) もう面倒見切れない...と、捨てるようになった。 捨て猫、捨て犬ならぬ捨てアライグマの誕生である。 アニメの最終回を真似て、良かれと思って自然に放した人も少なくなかったという。(←アホすぎや...) 繁殖力が強いアライグマたちは、天敵のいない日本で増え続け... 今では特定外来生物(海外起源の外来生物であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるもの)のリストに載っている。 つまり、駆除対象となってしまっているのである。 アメリカ国内では...実は害獣扱いされることも多いアライグマ。 野生動物が人畜共通感染症を持っている危険性から、野生の動物には決して触れないように...と 当ブログでも何度か書いてきたけれど、そんな中でもアライグマは特に危険なのだ。 「アライグマ回虫」にヒトが感染すると、神経系に支障をきたすことがあり、 アメリカ国内ではこの感染症による子供の死亡例も過去に記録されている。 ⇒アライグマ回虫による幼虫移行症 というわけで...日本でも海外でも、野生のアライグマには決して触れないようにしましょう。 (ヒトにとってそんなに危険な回虫はアライグマにとって安全なのか?と思うかもしれないけれど、回虫というのは本来の宿主にはそれほど危害を加えないらしいです。だって宿主が倒れちゃったら回虫たちも共倒れしちゃうから。(笑) と、カイチュウ博士として有名な藤田 紘一郎氏の著書にありました) それにしても...エコシステムを破壊するので、本来その土地に生息していなかった生き物を 勝手に自然の中に放すのはいけない...とか、学校でもっとしっかり教えてくれればいいのに。 受験のための勉強も確かに大切かもしれないけど、世の中にはもっともっと大切なこと、 学ぶべきことがたくさんあると思うんだよね... 日本のアライグマだって、勝手に持ち込んで、勝手に放棄して、今度は駆除だなんて。 一番の被害者はアライグマたちだよね。 すべては、無知な人間による浅はかな愚行のせいなのだもの。 参考&関連サイト: ⇒アライグマ、ペットが捨てられ野生化 ⇒鳥インフルにアライグマが感染(09年4月3日のニュース) ⇒特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(ウィキペディア) ⇒外来生物法とは? ↑みいちゃんのほうが可愛いよ!...とお世辞でも思ってくれたらポチっと応援ありがとう♥ ^^; Top▲ |
by mari_ca
| 2009-04-04 01:16
| 動物
Any use of these images on this site without permission is STRICTLY PROHIBITED. 当ブログ記事内の写真及びにイラスト(配布しているアイコンは除く)の無断複写・転載は固く禁じます。
|
★ごあいさつ★
どれか一つ↑
★NEWS...kinda★
★PROFILE★
★Rest in Peace★
★More to check out★
★猫アイコン製作★
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||