★★ブログ引っ越しいたしました★★ 移転先→ A little something to say from California

砕け散ったリゾートの夢と巨大塩水湖
目の前に広がっていたのは、なんともシュールな光景であった。

カラカラに干からびた魚が、見渡す限り散らばっている。

f0027944_21283557.jpg


そして、足元には白い砂...ではなくて、何コレ???

f0027944_21291181.jpg


そんなディテールに気づかなければ、水鳥がたくさん、波もほとんどない穏やかな水面。
パッと見、なかなかステキな場所なのかと勘違いしてしまいそう。

f0027944_21302663.jpg


ここは、サンディエゴから北東に2時間ほど行った場所にある、ソルトンシーという巨大な塩水湖。

f0027944_21322847.jpg


1960年代には、砂漠の真ん中にある湖畔のリゾート地として観光客で賑わっていたというが
そんな過去は蜃気楼のごとく消えうせ、今ではゴーストタウン寸前の状態にまで成り下がっている。

f0027944_2134543.jpg


ソルトンシーの簡単な歴史を説明すると...

もともとこの辺りは砂漠の中の盆地であった。
(現在のソルトンシーの水面は海抜マイナス69m)
もともとカリフォルニア湾に流れ込んでいたコロラド川は、あるとき決壊し
このソルトン盆地に大量の水を流し込んだ。

決壊したところは堆積物が自然に修復したものの、盆地へ流れ込んだ淡水は逃げ場を失い
時間の経過とともに、やがて盆地に流れ込んだすべての水は蒸発した。

数千年もの間、このソルトン盆地は、豪雨や川の決壊により水が流れ込んだときにだけに湖が現れ
その水がすべて蒸発しては湖が消えていく...というのを幾度となく繰り返してきた。

f0027944_21505960.jpg


現在のソルトンシーの始まりは、1905年にさかのぼる。

豪雨と大量の雪解け水がコロラド川を大氾濫させ、2年に渡りこのソルトン盆地にそのほとんどの水が流れ込んだとき、少し前よりこの地に、コロラド川から農業用水を引くための工事に取り掛かっていたSouthern Pacific Railroad社がこの洪水をくい止めようとしたものの失敗。

その事故により、さらに大量の水がコロラド川よりソルトン盆地に流れ込んだ。
(その後1907年に、コロラド川から水が流れ込むのを防ぐことに会社は成功している)

カリフォルニア州内で最大の湖であるソルトンシーはこのようにして誕生したわけだが
水はここから外部に流れることはない。つまりここは巨大な水溜りなのである。

f0027944_23261544.jpg


出来上がってしまった当初、ここは淡水湖として認識されていた。

しかし、その後、ソルトンシーに流れ込み続けたニュー川、アラモ川、ホワイトウォーター川が
もともとは海のそこであったこの辺りの土地に含まれる塩を水に取り込みながらここに終結。

最終的にソルトンシーに流れ込むと、今度は盆地の土壌の中のすでに結晶化していた塩をも溶解。
水がここから外に流れることのないソルトンシーは、次第に塩水湖となっていくのであった。
(この3つの川は現在もソルトンシーに流れ着いている)

f0027944_2295295.jpg


1920年代に入ると、ソルトンシーは観光地として有名になっていった。

多くの渡り鳥が立ち寄るようになり、1930年代から1950年代にかけて数種の魚が海より導入された。
そして、この辺りは巨大ウォーターフロントリゾート地として人気を博すようになる。
湖畔にはホテルや街が作られ、水上スキーやボート遊びに興じる人で賑わっていた。

砂漠の中のオアシス的観光地、パームスプリングスに続けとばかり期待されたのだが...

f0027944_102496.jpg


水の逃げ場がないソルトンシーは、土地の気温の高さから流れ込む水が蒸発するのが早い。
水分は蒸発しても塩は残る。つまり塩分濃度は濃くなる一方であった。

現在のソルトンシーの塩分濃度は、海水よりも高く、死海より低い。
そして、この塩分濃度はなんと毎年1%ずつ高くなっているとか...

ほんの数十年前に導入された魚のうち、ソルトンシーの塩分に耐えられたのはティラピアのみ。
だがそのティラピアも、もう少し塩分濃度が高くなると、彼らが生存できる限界を超えるという。

また、農業廃水の流れ込みによる汚染、そしてその中に含まれる肥料を餌にして
微小な有害藻類が高密度に繁殖、同時に有害バクテリアも異常発生。
この有害藻類が死ぬとき、バクテリアと細菌によって分解されることになるのだが
そのとき水中の酸素が使われるので、結果、湖内の酸素は減り、大量の魚が酸欠により死んでしまう。

それらが、大量の魚(ティラピア)の屍骸が散らばっている理由であったのだ。
(湖畔近くの水面が、数百万の死んだ魚でうめ尽くされたことも過去に何度かあったとか)
⇒参考写真

現在、ソルトンシーは多くの水鳥の姿を観察できるところとして知られてもいるのだが
汚染された湖の魚を食べている水鳥たちは、鳥ボツリヌス症にかかることもあるので
残念なことに、バードウォッチングは楽しめど、彼ら自身は決して健康ではないのが事実である。

f0027944_22451230.jpg


ところで、私が「何、コレ?」と思った、海岸の砂のような、でも大きくて白い不思議なシロモノ。
調べてみるとあれは実は、フジツボの屍骸であるらしかった。(!)

第二次世界大戦中、水上軍用飛行機の離着陸の練習のため、ソルトンシーが使われたのだが
そんな飛行機が海から連れてきてしまったフジツボが、ここで異常なまでに大繁殖。
今ではものすごい数にまで増えてしまっており、その屍骸がこうして岸に打ち寄せらたものらしい。

...お、恐るべしフジツボ!!!

f0027944_0205644.jpg


1960年代には有名人らも数多くここを訪れ、観光客で賑わっていたソルトンシーは、過去のもの。
塩分濃度が高くなりすぎ、汚染度が上がるにつれて、訪れる人たちは減り、今ではさびれてしまった街。

湖畔には、朽ち果てた宿泊施設や人が住まなくなって久しいであろうボロボロの家がやたらと目立つ。
しかし、それでも人口はゼロではないらしく、ゴーストタウンのような街を歩いている人も見かけた。

子供を連れている人がいる。
この辺りに学校などあるのだろうか?
農業用地としてそれなりに活用されている土地もあるようだが、それ以外に仕事などあるのだろうか。




実際、この辺りに住んでいる人の多くが生活保護に頼っており
また、ここから外に出ようにも、そうするためのお金もないので出られない。
出たところで生活にかかる費用が高い都心部では生きられないらしい。

そして、かつての観光地としての賑わいをもう一度...と、夢見るお年寄りも多いのだそうだ。



カリフォルニアは事実上破産寸前だし、こんなところの復興にかけるお金はまずないだろう。
相変わらず塩を含む川の流れはここに流れ込み、そして塩分濃度はまた高くなるだけ。

水がなくなり、干潟となった場所を見かけたが↓、それはあのデスバレーの塩の大地に似ていた。

f0027944_23202699.jpg


この辺りをドライブしていると、切なくなってくる。
ほんの50年前は、どんなに賑わっていたことだろう。

水上スキーを楽しむ人たち。
水着で走り回る子供たち。
今では廃墟寸前の街も、活気がある毎日を送っていたに違いない。

今でもそれなりに訪問者はいるようだけれど、かつての賑わいとはほど遠い。




行き場のなくなった塩水湖、そして同じように行き場のなくなった小さなかつての観光地は、ただ、哀しい。

f0027944_2340731.jpg






Thank you for voting!
こういう場所ってなんだか切ないなあ...と感じてくれたらポチっと応援ありがとう♥




★撮影場所★
Salton Sea
Colorado Desert
Imperial / Riverside counties, California, USA
カリフォルニア州で最大の塩水湖。
廃墟的なものに惹かれる人には...それなりに面白いかも?
水鳥の数が半端じゃないので、バードウォッチングは結構楽しめる。
⇒Map
[PR]
Top▲ | by mari_ca | 2010-03-08 03:59 | Nature

<< 障害になんて負けないよ♪ とウ... | ページトップ | 海の竜 >>

Copyright © 2005-2010 A little something to say from California. all rights reserved.
Any use of these images on this site without permission is STRICTLY PROHIBITED.
当ブログ記事内の写真及びにイラスト(配布しているアイコンは除く)の無断複写・転載は固く禁じます。



Happy Shooting!
by mari_CA
By: TwitterButtons.com

★ごあいさつ★

 

どれか一つ↑
ポチっと応援
ありがとうございます♪


「白背景+トップ画像」だけの、シンプルなオトナ向けスキンばかりです。初心者にも簡単にできる詳しい解説つき!
エキブロスキン配布中♪

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
★NEWS...kinda★
★PROFILE★
★Rest in Peace★
★More to check out★
★猫アイコン製作★
Memo and such...

Click for Orange, California Forecast

無料カウンター





California Time

最新の記事
★★ブログ引っ越しのお知らせ★★
at 2012-05-13 04:18
はだかんぼ
at 2012-01-23 15:49
死の谷の奥でひっそりと動く岩
at 2012-01-07 14:56
八割れ仔ハム
at 2011-12-26 15:40
アリクイ・ベイビー...?
at 2011-10-26 16:58
モルショー初体験!
at 2011-10-14 16:47
お持ち帰り専用、ミニ・猫カレ..
at 2011-10-08 15:05
カテゴリ
全体
動物


海獣
大型ネコ(トラ・ヒョウなど)
Nature
お持ち帰り用カレンダー
ART
アメリカ人って...
ライフスタイル
日常
異国文化
グルメ的 in California
小旅行
ちょっとびっくりな話
ねこマンガ
猫動画
Hamster
モルモット
Viva! めりけんらいふ
アタシ様倶楽部
Grave Hunting
家族がらみ
音楽がらみ
San Diego
仕事
Breaking News
その他
未分類
以前の記事
2012年 05月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 10月
2011年 09月
more...
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
★猫LINKS★
★写真&MISC. LINKS★
★SKIN編集LINKS★
★Font Links★
★会員登録しています★

おサカナさん♪