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ユタ州の南端にある、ザイオン国立公園。
私たちが住む地域からは、ハイウェイ15号線をひたすら北上。(正確には北東の方角) ラスベガスを通過してさらに2時間半ほど車を走らせ、ようやく到着する。 片道およそ700kmの旅である。 決して近くはない場所だけど...Jも私もここが大好きなので、1年に1度は訪れる。^^ いつもは適当にハイキングしたり、適当に野生動物の写真撮ったりするだけで満足してたんだけど... 今回はもう少しだけはっきりとした目標を持って、この渓谷にやってきたのである。^^v それは「ここを体験せずにザイオンを語るな」といわれる ザ・ナローズ(The Narrows) もしくはザイオン・ナローズ(Zion Narrows)と呼ばれる このあたりを流れる美しいバージン川の始まりのトレールに入り込むこと。 実は過去にも、ザイオンのナローズに入り込むチャンスはあったものの... 靴を一足しか持ってきていない、水が冷たすぎる(おいおい...)など あれこれ理由をつけては、実際に入ることはなかった。 でも、今回は頑張ろう!ということで、ウォーターシューズまで買って持ってきたし~! (気合い入れてます!!) そう、ウォーターシューズが必要なこのトレール、川の水の中を歩くトレールなのである。 ナローズの入り口はここ。↑ つまり、のっけからいきなり水の中を歩く羽目になるのだが... わずか10数歩進んだ時点で「実はこれって想像以上に大変?!」と思ってしまう私。 水温はそれほどでもない。 足を入れたときは、ちょっとヒヤっとするものの、しばらく水の中にいると気持ちいい。 けれど、流れる水の中を歩くのは意外と困難で、杖になりそうな木の枝を持っていたものの カメラも持って来ちゃったし、とにかくすっ転ばないようにだけしなくては...と、緊張しまくり。 最初は足首が濡れる程度の深さだった。 それがヒザ下くらいの深さになり... 場所によってはこんなに深くなってるよ~!!(汗) ふくらはぎ丈の綿パンをヒザの上までまくり上げていたものの、衣服を濡らさずに進むのは無理! かといって、ナローズに入り込んだ直後に引き返すのはちょっと悔しい。 とにかく、カメラが入ってるバックパックさえ濡れなければいいのだ。 というわけで、すでに(下着の)パンツまで水に浸かって進んでいく。(涙) ところで私はこの時点で「デジイチを持ってきたこと」を激しく後悔し始めていたのはいうまでもない。 防水加工してあるカメラバッグにすべてきっちりと入れて...といえることができればカッコいいのであるが、そんなものを買うヒマもお金もなかったので、実はジップロックの中にカメラやレンズを入れて、それをバックパックの中に入れてたのである。(ビ、ビンボーくせ~)^^; でも、水位は思ったよりも深いし、川の流れはまさに「足を掬う(すくう)」感じだし... ここでバックパックごとこの私がコロンとひっくり返らないという保障はほぼ皆無。 トレールには、水から出て陸地(?)を歩くことができる部分もあったけれど おそらく全体の8割は、その両足を水の中に浸けている羽目になる、といえばいいだろうか。 それにしても、ナローズを歩く人たちの半分以上が、実に軽装なのである。 文字通り手ぶらで、専用の杖だけを持った人も少なくない。 私とJは、バックパックの中にボトル入りの飲料水やトレールミックスやお煎餅など そういうものさえも詰め込んでいたので、決して軽装とはいえない格好だった。 山歩きやハイキングなどをする人は経験があると思うけれど、街中を歩くのと比べて 自然の中を歩くというのは非常にエネルギーを消費するので、お腹が減る。 だから、人体への燃料とでもいうのか、簡単に食べられるものを常備するのが普通であろう。 それなのに...手ぶらな人たちはいったい? 小さな子供を連れた家族連れも実に多い。 さすがに水が深いところでは、お父さんが子供を肩車していたりしたものの 子供たちの中には、最初から水着を着てきているので、そのままプールのごとく泳いじゃうコも多い。 高さ6メートルくらいの大きな岩の上から、川にジャブンとダイブしている高校生くらいの男の子。 (つまりそれくらい水が深いところもあるわけ) ビキニの水着に小さいバックパックといった、実はかなり年配ではと思われる白人女性のグループ。 なんだかとっても楽しそう。 カメラが入ってるからって、バックパックが濡れないように必死になってる私がバカみたい。 確かに、こんな場所では、水に濡れないようにしようとするから転ばないよう気をつけるわけで 最初から泳いでしまうことにすれば、そっちのほうがはるかに楽チンだよな~。 おそらく1時間半ほど歩いたところでUターンすることにした。 このトレール、実は全長16マイル=25.7km。 すべて制覇するには、経験者でも片道13時間かかるといわれている。 私たちはおそらく1.5kmくらいしか歩いてないと思う。 陸地の上を歩くのと比べて、5倍くらいの遅さで進んでいるからである。 まあ、初心者の私たちは、すべて歩こうだなんて初めから予定してないけどね。^^; できればもう少し前進してみたいような気もしたけれど、帰路に使うエネルギーをとっておかねば。 だから、こういう場所では持っている体力が半分減ったと思ったときにUターンしなくてはならない。 帰路も結構大変だった~。 水の流れに逆らって進む往路と比べて、帰りは楽なのかと思いきや 今度は水の流れに押されないように、足を踏ん張って気をつけながら進まなければならない。 ようやくナローズの入り口に戻ってきたのは、出発から3時間半近く過ぎた、午前11時半だった。 お腹がペコペコだったので、シャトルバスに飛び乗り、キャンプ場まで急いで戻ってきた。 (ザイオン国立公園は、春から秋までシャトルバスを使ってでしか、メインのエリアには入れない) Jがゴハンを作ってくれたので、木陰で美味しく食べていると... ピカッと稲妻が光ったと思うと、いつもは静かなザイオンの空に、ゴロゴロゴロゴロと雷が轟いた。 「雨が降るかも...ザーッと来る前にテント張っちゃおう!」 そういいながらJが車に走っていく。 急いでテントを張りおえたとき、ポツポツと大きな雨粒がグレーの空から落ちてきた。 あれよあれよという間にものすごい勢いの雨になったのである。 最初は傘を差して近所を歩き回っていた私たちも、慌ててテントに戻った。 テントの中でじっとしていたものの、雨の勢いでテントが壊れやしないかとドキドキ。 向かいのキャンプサイトを使っていた人たちは、大雨の中テントをたたみ、キャンプ場を後にしたらしい。 夕立...というよりも暴風雨といったほうがいい大雨は、約2時間続いたと思う。 テントの中で雨音を聞いていると、ナローズでの疲れがどっと襲ってきて、私は眠りに落ちてしまった。 目が覚めると雨は止んでいた。 後で知ったのであるが、1時間に5センチというものすごい降水量だったようであるらしかった。 雨も上がり、キャンプ場近くのトレールを軽く歩いていたのだけれど... 40分ほど歩いて、またキャンプ場に戻ってくると、何やら大きな機械音がする。 何? 何? とびっくりしていると、なんと音源はヘリコプター。 ヘリコプターからはかなり長いロープが下げられ、その下には人と...担架? (英語でGurneyと呼ばれる物) レスキューに向かうヘリってこと?! さっきの大雨で怪我人が出たのだろうか。 帰宅してからネットで調べてみると、あれはやっぱりレスキューに向かうヘリであったらしい。 こういった場所で一番怖いのは、天候の変化による鉄砲水である。 Flash(=閃光)Flood(洪水)といわれるだけあって、逃げるヒマもないといわれている。 ナローズに鉄砲水は出なかったようだけど、とにかくものすごい雨だったので あそこを歩いていた人たち、特に子供たちは突然の豪雨に見舞われてさぞかし怖かったに違いない... 大雨に見舞われる前にナローズを出ていてよかった...^^; でも、そんなことで怖気づいてはならない! また絶対ナローズに入るぞ~! 次回こそは絶対に、濡れたら困るような貴重品は一切持たず、服の下には水着を着て来るぞ~♪ ※川の中を歩くのは想像以上にキツイ。 月曜日、ふくらはぎが筋肉痛でガタガタになり、ロボットのような歩き方で出勤した私たちであった。 ↑無事にナローズから戻ってきたmari_caとJにポチっと応援ありがとう♥ ★撮影場所★ Zion National Park、Utah ユタ州にある、593平方キロメートルの国立公園。 ラスベガスからは車で約2時間半から3時間。 赤い岩山、緑の木々、青い空、そこに澄んだ水が流れるバージン川が合わさった光景は、ただ美しい。 The Narrowsは全長25.7kmにも及ぶRiver Trail。 本格的なCanyoneering(峡谷探索)をする人は、当然ながらナローズの天辺から スタートし、岩と岩の間を降りてくることになる。 でも、そんなの一般人には無理無理... 私たちがしたように、川下から適当なところまで攻めるのが無難なこと間違いナシ。^^; ⇒Map
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by mari_ca
| 2010-07-27 13:39
| Nature
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