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最近山の中というか、ざわついた都心部から離れた場所をドライブするのが気に入っている。
まあ歳をとったという証拠だといわれればそれまでなのだが、楽しいものは楽しい。 で、今日もまたオレンジカウンティ内の山近辺を探索していると、ワイルドライフ・サンクチュアリと書かれた看板に出くわした。 ほお、そんなモノがあったのか...と思って様子を伺ってみたのだが、どうも気合いが入ってないというか、さびれたような超B級スポットにしか見えない。でも無料だし、暇つぶしに入ってみるか...ということになった。 公園に毛が生えたような、というより普通の民家の裏庭に鳥の餌台をいくつか設置しただけのような場所だ。人工の浅い池が二つあり、カメが数匹水から顔を出してボーっとしている。 見上げるほどに成長したサボテンがあちこちでカワイイ花を咲かせているほかは、特に面白い植物もなかった。 餌台だけはあちこちに吊るしてあり、そこに群がる野鳥は少なくはなかったが、それでも驚くほどたくさんの種類の鳥が来ているというわけでもない。 長居する必要もないかー...タダだったしね、と思っていると、10歳くらいの女の子の姿が目に入った。 両手にウサギをギュッと抱いてぽつんとベンチに座っている。 一瞬、この施設で飼われているウサギと遊んでいるのかと思ったのだが、ちょっとおかしい。どう見たって野ウサギではないし、仮にウサギたちが飼育下にあったとしても、柵の中でもない場所でここまでおとなしく人間に抱かれているというのは不自然だ。ペットのウサギと一緒に来たのだろうか。 「あなたのウサギ? カワイイわね。ここで遊ばせるために連れてきたの?」と尋ねると、女の子は今にも泣き出しそうな顔をして言った。 「あの...違うの...ここにこのコたちを放しに来たの...」 え? それは捨てにきたってこと? 続きは↓をクリック。 彼女はウサギたちに最後のお別れをしていたのだった。 ここは山の中で住宅地ではない。 こんな女の子が一人でウサギを連れて来れる場所ではないのだ。おそらく施設の外の駐車場には、さっさとウサギを捨ててこいと車の中で待つ、母親か父親がいるはずだ。 「クリーム色のコの名前はバタースコッチっていうの。茶色いのは〇〇(聞き取れなかった)。触っても大丈夫よ、とっても慣れてるから」 そう言って女の子は2羽のウサギを地面の上に降ろし、とぼとぼとうつむいたまま歩き去ってしまった。 サンクチュアリと名づけられたここに放せば野ウサギたちと一緒になって自然の中で幸せに生きていけるのだ...と両親に言われたのを、必死に信じようとしているのかもしれなかった。 ウサギたちの名前を伝えようとしたのは、ひょっとしたら私たちが飼ってくれるかもしれない、と思ったからだろうか。 「ここなら可愛がってもらえるから大丈夫だよー」 Jはとっさに女の子のうしろ姿にそんなことを言っていたが、それは真っ赤なウソである。 コヨーテだっている。 鷹だっている。 マウンテンライオンだっているだろう。 そりゃあ、このあたりで野ウサギを見ることはある。 でも、こんなおとなしい、敵から逃げることをまったく知らないヌイグルミのようなウサギは野ウサギとはまったく別の生き物だ。ましてここは、サンクチュアリという名がつけられていても、高い柵に囲まれた場所でもなんでもない。 数日中に確実に肉食動物の餌食となるだろう。 だいたい、こんなフワフワの、いかにもこれまで絨毯の上でぬくぬく暮らしてました、なんて風貌のウサギはここには似合わなすぎるのだ。 (↓このコは野ウサギ。いかにもおっとりしたバタースコッチ君↑とは大違い) 困ったのは私と友人Jである。 どうしよう...猫が4匹もひしめくうちに連れて帰るわけにもいかないし... でも、このままでは死は時間の問題だ。 どうしようもないことというのは世の中にある。 可哀相だけれど、どうにもならないのか。 しかしこのまま無視して帰宅したとしたら、帰り道でも、数時間後も、さらに夜になっても彼らのことが気になって仕方ないだろうと思うのだ。 結局、施設から道を挟んだところにある管理事務所に行ってみることにした。 ハロー!と3度ほど呼んでみたところでやっと、ノーメイクで日に焼けたいかにも自然愛好家といった女性が奥の部屋からニコニコと出てきた。 ことのなりゆきを説明すると「あら、またなのー?! 困ったもんね、まったく!」 この施設に動物を捨てていく人は後を絶たないそうだ。 鳥やウサギはもちろん、犬や猫やカメまでも、だとか。 結局このウサギたちは、バニー・レスキューと呼ばれる、飼い主に放棄されたウサギたちを救い、里親を探しているグループに引き渡すまで、たまたま空いていた施設内の大型の檻の中で飼われることになった。 そうしなければ「このあたりに生息するボブキャットの今夜のディナーとなること必至」らしい。 施設内には青い鳥がたくさんいた。 幸せの青い鳥たちに助けられ、ウサギ君たちが誰かにまた可愛がってもらえますように。 ホントにとても人懐こい、愛らしいコたちだったから。 (↓ 幸せを呼ぶ青い鳥を一羽、最後まで飽きずに読んでくれたみなさんにもおすそわけ。^^) Top▲ |
by mari_ca
| 2007-06-03 00:23
| 動物
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