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少し前のこと、オレンジカウンティ内のウェストミンスター市で、郵便配達人が配達の最中に庭で放し飼いになっていた犬に噛まれて重症...という事件があった。
この犬はメスのピットブルで、事件の後10日間はシェルターで監視・保護されていたのだが、このたび予定通り「処分」されるらしい。 ピットブルってどんな犬? 実はこの犬の飼い主にとって同様の事故で処分させられる羽目になった犬は2匹目。 今年の初めに別のピットブルが人を噛むという事件を起こしている。 当然ながら犬は取り上げられ、犬の引渡しを求めて飼い主の女性は裁判所に訴えていたのだが、結局そのオスのピットブル「ブルータス」は「処分」となっているのである。 それなのにまた同じ事故。 これはある意味、犬の虐待ではないだろうか。 処分したことが、ではない。 そいうった事件が起きてもおかしくない状況下で犬を飼育していた女性の「飼い方」が、である。 もともと闘犬にも使われていたピットブルが闘争本能を持った犬だということは、ここアメリカでは子供だって知っている。 そのために、ピットブルを現在いる以上に繁殖させるな、と主張する動物愛護グループもある。 しかし、実際にはピットブルはアメリカ人に人気のある犬種の一つで、繁殖をさせないでこのまま犬種をなくしてしまおう...という動きがあることなどお構いなしだ。 「あのコがどうしてあんなことをしたのかわからないわ。今まで人を襲うことなんて一度もなかったから...」と飼い主の女性は語っていた。 けれど、悲しいかな、ピットブルはやはりピットブルだったのである。 アメリカ国内でおこる「人が犬に噛まれて大怪我、または死亡」というケースのなんと65%がこのピットブルもしくはロットワイラーによるもので、アメリカ以外を見てもピットブルの飼育・持ち込みを一切禁じている国があるのもまた事実なのだ。 もちろん、すべてのピットブルやロットワイラーがそういった性質の持ち主ではないことは私も知っている。 知り合いの飼っていたメスのピットブルは、断耳手術もしないままの可愛い垂れ耳で(飼い主である友人によると、あれは虐待以外の何物でもないらしい。ウェストハリウッド市のように、犬の断耳と断尾を条例で禁じようとする地域も最近は目立ってきている)、人懐こく愛らしく、同居している猫2匹とも仲良しの、とても優しい犬であった。 今回処分されてしまったこのピットブルだって、飼い主には忠実で可愛いワンちゃんだったことだろう。 でも、犬種をきちんと理解していれば、何かの間違いで家族以外の人間を襲わないよう、きちんと管理して飼うことだってできたはず。 そうしていれば、犬だって処分されるような事件を引き起こすこともなかっただろうに。 それにしても、獰猛な性質に作り上げられてしまったというのは、なんと不幸なことなのだろう。 犬というのは人間に近づき一緒に暮らすようになってから、人間のために、ありとあらゆる犬種が人間によって文字通り「作られて」きた、そんな歴史が哀しくもある生き物だ。 かつての自分たちの先祖がそんな風に、「攻撃」するために作られてきたなんて、生まれてくるピットブルの子犬たちは知る由もない。 しかし、人間によって数百年に渡って性質までも改良され、闘犬としての「襲う・戦う・殺す」という本能が、何かがきっかけになって目覚めてしまった哀しい個体だけが、このような事件を引き起こしてしまう。 そんな彼らは本当の意味で人間のエゴの被害者のような気がしてならない。 ←今日はちょっとシビアだったけど、ふうん...と思ってくれたらポチっと♥ Top▲ |
by mari_ca
| 2007-09-11 21:30
| 動物
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