|
昨夜は南カリフォルニア中の人が緊迫した時間を過ごしていたのではないか。
北はマリブ、南はサンディエゴまで、炎に包まれていたから。 よく、南カリフォルニアはトロピカルなエリアと勘違いされている場合も少なくないのだが、実はカラカラに乾ききった砂漠である。年間降水量もごくわずか。当然、山火事も多い。 日曜の夜明け前から、台風のような風が吹き荒れていた。 風の音で目が覚めたほど。 これは「Santa Ana Winds(サンタナ風)」と呼ばれ、 年に数回必ず、季節を問わずこの辺りに吹き荒れる砂漠からの突風だ。 普通に外を歩いていても、凧のように吹っ飛びそうになる。(重心が低そうなこの私が!) そしてこんな日は、絶対、絶対、どこかで山火事が起きるはず。 誰もがそう思ったとおり、一番最初にロスアンゼルスの北西部、 高級住宅地としてしられるマリブ地区周辺の山で火の手があがったらしい。 火はあっとうまに住宅地に飛び火。 その後、ほんの数時間のうちに複数の場所で火事発生。 自然発火にしても誰かがイタズラで火をつけたにしても、 超強風のためにあっという間に火事は広がる。 この日は最強時で一時間に70マイル(日本での風速とは表示の仕方が違うらしい)、つまり時速にして112㎞の風が吹いていたとか。 車が時速112㎞で走るのと同じくらいの勢いの風である。 TVでは目を守るためにゴーグルを着け、煙と灰を吸わないように特殊マスクをしたリポーターの姿が映っている。 これだけ風が強いときの炎というのは、文字通り乾ききった地面を「舐める」ように這っていく。 それも驚くべきスピードで。 ハイウェイの片側で燃えていた火が、まるでそういったことが出来て当然とばかりに、舗装されているハイウェイを飛び越え、反対側で新たに燃え上がり、見る見るうちに広がっていく。 たかが火、されど火。それはまるで、燃え上がる巨大な怪物みたいだ。 実はうちのアパートは、そんな山火事の一つからそれほど遠くはない。 おそらく、10㎞以内ではないかと思う。 ただ、うちは住宅地のど真ん中なので、周囲にボウボウ燃えるものもない。 だから大丈夫だろう、とは思ったものの、やっぱりちょっとドキドキ... Jは姪と甥が住むOntarioが燃えているとニュースで知り、慌てて電話していた。 「今OntarioのことTVで見たけど、そっち大丈夫?え?! 火は見えないけど焦げ臭い? 万が一を考えて大切なものとか身近に置いておきな!ケータイはきちんと充電しておくんだよ!何かあったらこっちに来ていいからねっ」 避難令が出されるときは、警察から電話が来るそうだ。 それまではなるべく自宅から出るな、とニュースキャスターが言っている。 実際に避難しなくてはならない人たちに、道を譲らなければならないから。 とはいえ、TVの画面で見るフリーウェイはすでに渋滞している。 ヘリコプターから中継している映像の中に、30頭ほどの馬が必死で炎から逃げる様子が映し出されていた。 ニュースからの動画 馬たちは火から100mほどだろうか。 でも、野生の馬じゃなくて、どこかのファームにいる馬たちでしょ? つまり、広いだろうけれど「柵に囲まれた」土地にいるはず。 逃げ切れるの?大丈夫なの? TVで言っていたのだが、馬というのは人間と比べて非常に煙に弱いそうだ。 必死で逃げる姿を見ていると、ついこっちまで手に汗握ってしまう... 一夜明けた。 夜の間も強風は吹き続け、昨夜よりは火の勢いは(ほんの少し)弱まったような気もするが、まだまだ鎮火するまでには至っていない。 山火事の場合、鎮火するにはたいてい数日かかる。 私が覚えている限りの最悪の山火事体験は、2003年の10月だ。 当時はサンディエゴに住んでいたのだが、煙と灰に空が覆われ、太陽がぼんやりとしか見えなかった。午前中なのにまるで日没近くのように薄暗く、どこに行ってもキナ臭かったし、車の上には灰が積もっていた。 どこから入り込むのか、会社の中の空気までも汚染されていたようで、外科医が使うようなマスクをして仕事をしていたのだが、非常事態ということで誰もが早退した。 今回の山火事は2003年の「シダー・ファイヤー」と同様かそれに次ぐ規模ではないか。 これを書いている今も、南カリフォルニアの10ヶ所以上が燃えている。 風は相変わらずとんでもなく強い。 うちみたいな古アパートの薄っぺらな窓ガラスなんてブチ破りそうな強風だ。 サンディエゴでは病院の入院患者が避難しなければならなかった場所もあるらしい。 サバンナの平原を再現したような場所で3,500頭もの動物を放し飼いにしている「Wild Animal Park」でも、東側の一角が炎に非常に近くなったため、動物たちを安全な場所に誘導したとか。 動画はこちら そういえば私のお気に入りのオセロットがいる、オレンジカウンティ動物園、結構火の近くだと思うんだけど、大丈夫かなあ... ところで、TVのニュースでは一般の人が撮影した山火事の写真を番組のサイトに送るように言っている。 ヘラヘラした女性キャスターが「もうみんなスゴイ写真を撮ってくれて、その中のいくつかはもう芸術作品と言ってもいいほどの出来栄えなんですよぉ!」とはしゃいでいた。 ...芸術作品? ...この白人オンナ、バカじゃないの?? ...必死で消火活動している消防士たちの前で同じセリフを吐けるのか、アンタは? ...死者だって出てるんだぞ! (あまりにも非常識だったから、番組にその旨をメールしちゃったわよ...プンプン!) 今、シュワ知事がTVで喋ってて「次に自分がやることは建物が受けたダメージを見ることだ」とか言ってるんだけどさあ、今一番大切なのは、すでに燃えた建物の被害確認じゃなくて、消火活動だと思うんですけど... ちょっとリポーターからつっこまれるとしどろもどろになってるし...頼りないなあ。 いっそのこと今から消防士たちに混じって消火活動でもしたら少しは支持率上がるんじゃないのかね? それにしても早く鎮火して欲しいよ~... 「Fire Storm(火嵐)」と言っていたリポーターがいたけれど、ホントにそんな感じ... ここでザーッと雨でも降ってくれれば助かるんだけど、望みナシ... ちなみに風は時速72kmまでパワーダウンしたらしい。(それでも強風だけど) 外は空気が灰と煙で汚れてるから、今日は家の中でおとなしくしてよう。 ちょっと窓開けてみたら、ウッ...焚き火のときのようなすごいニオイが空気中に充満してた! 煙は目が痛いし、灰は気管に悪そうだし、 出動中の消防士は1,400人を超えてるっていうし... フリーウェイもあちこち閉鎖してるし...学校閉鎖も多いみたいだし... Jは防煙用に病院から医療用のマスクをいくつかギってくるって言ってたけど、本気か...? 山火事インフォ in Southern California:(写真もこちらから拝借しました) http://cbs2.com/ http://abclocal.go.com/kabc/front http://www.foxnews.com/index.html http://www.nbcsandiego.com/index.html http://www.cbs8.com/ ←地震もカミナリも怖いけど、やっぱり火事も怖い...と思ったらポチっと♥ Top▲ |
by mari_ca
| 2007-10-23 03:01
| Nature
Any use of these images on this site without permission is STRICTLY PROHIBITED. 当ブログ記事内の写真及びにイラスト(配布しているアイコンは除く)の無断複写・転載は固く禁じます。
|
★ごあいさつ★
どれか一つ↑
★NEWS...kinda★
★PROFILE★
★Rest in Peace★
★More to check out★
★猫アイコン製作★
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||