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(内容と写真は関係ありません。^^;)
オバマ氏が大統領に選ばれた。 アメリカ初の黒人(正確にはオバマ氏は白人の母親と黒人の父親との間に生まれたハーフ)大統領である。 それにしても、国民が投票する直接選であるアメリカの大統領選の盛り上がりといったらスゴイ。 まるでオリンピックかワールドカップか... いや、サッカーに興味を示す人が、南米出身者やメキシコ系を除けば極端に少ないアメリカという国にとっては、ワールドカップなんて比にならないほどの大騒ぎっぷりである。 特に今回は史上初のアフリカ系アメリカ人であるオバマ氏が候補であったために、もし彼が大統領になればこれは歴史上に残る出来事となることは間違いないということもあって、これまで政治や大統領選に興味を示さなかった人たちまでもが身を乗り出している感があった。 私の周囲ではオバマ氏を支持する声がほとんど、というよりカリフォルニアとはそういうリベラルな州でもあるので、それもまた驚くべきことでもない。 ただ、アメリカ全土となるといかがなものか...とは正直思っていたし、それは私だけではないだろう。 理由は一つ。 彼が「有色人種」であるからである。 小学校で習うのか中学校で習うのかは忘れてしまったけれど、社会科の授業で習う、WASPという言葉を覚えているだろうか。 WASPとは、 White(白人) Angro-Saxons(アングロサクソン人) Protestant(新教徒) の略であり、皮肉を込めた意味で使われる場合も含め、要するにアメリカで一番力を持つとされている、白人支配階級である。 アメリカはもともと大西洋を越えてやってきた新教徒たちによって作られた国なので、直接の血を引くいわゆるWASPが、特に政界を支配してきたという事実がある。 ちなみにアメリカ歴代の大統領は、(新教徒ではない)カトリック教徒だったジョン・F・ケネディ氏を除いてすべてこのWASPである。 つまり、WASPでない、しかも現代でもまだまだ差別的待遇を受けることも少なくないアフリカ系アメリカ人が大統領になるということは、ある意味、政界における革命といってもいいのではないだろうか。 そんな歴史に残る1ページを築いてくれたオバマ氏ではあるが、就任後の彼の暗殺を心配する声も上がっている。 理由は一つ。 彼が「有色人種」であるからである。 現代のアメリカで、そんなに人種差別がまかり通るものなのか...と驚く人も少なくないだろう。 だが、これは紛れもない事実。 アメリカは、人種差別大国でもあるのだから。 「人種の坩堝(るつぼ)」とは、多民族国家アメリカを形容してよく使われる言葉である。 しかし、以前こんなことを聞いた。 「坩堝」とはもともと、物質を溶解・灼熱するための耐火性の容器のことを指す。 人種の坩堝というのは、いろいろな人種が混ざり合って溶け合っている状態を形容したものなのだろうが、実社会は決してそうではない。 だから、坩堝などという表現はあくまでも理想論にすぎず、現実には「サラダボウル」、つまり一つの容器の中にごちゃ混ぜになって入っていても、決してお互いが混ざり合って溶け合うことなどない...ということらしい。 それでも私が現在住んでいるカリフォルニアなどでは、人種の違うカップルを見かけることは決して珍しくはないし、当然ながら混血率も高いので、保守的な州と比べたらおそらく坩堝とまではいかないにせよ、具がやや煮崩れした肉じゃがくらいまでには混ざり合っているのかもしれないとは思う。 けれど、それはあくまでも個人のレベルで見た場合だろう。 つまり、個人の知り合いレベルでは、相手がどんな人種だろうと気にならないものだけれど、社会というものの全体像を見つめた場合、ここまで混血化が進んだカリフォルニアでさえ、住む地域、遊ぶ場所、果ては学校まで、多くの人が同人種同士でつるみ、さらにコミュニティを作っているのがよくわかる。 そして、別人種同士の接点は、(社会全体で見た場合)驚くほど少ない。 「カリフォルニアは...あそこは、アメリカの他の州とはまったく違う、別の国みたいな感じ」 そういいきるアメリカ人(もちろんカリフォルニア州以外に住んでいる、または住んでいたアメリカ人)は多い。 私は...カリフォルニアからほとんど出たことがなく、出たとしてもせいぜい近辺の観光地くらいなので、他の州では...といいきることはできない。 けれど、絵に描いたようなサラダボウル状態... つまり、混ざることも溶け合うこともない「違う人たち」が、お互いに相手を観察し、ときには敵対しながら、または牽制しあいながら、生きていっている様子は想像がつく。 オバマ氏自身は今回の大統領選キャンペーンにおいて、自分がアフリカ系であることを強調しない方針だったらしいが、支持者の中には勢い余って(?)白人を敵視するかのような発言をするなど、やはり人種問題とまったく無縁というわけにはいかなかったらしい。 そういった「逆差別」が生まれてしまうのは残念としかいいようがないが、かつて自国から無理矢理連れてこられ、人間としての扱いも受けなかったアフリカ系アメリカ人の先祖の苦しみ、そして奴隷解放後も長く続き、いまだにアメリカという国が引きずっている彼らへの差別のことを考えると、人種ごときで対立するのはやめよ...と単純にもいえなくなってくるのが事実である。 何はともあれ、選出されたオバマ氏には頑張って欲しい。 頼むから暗殺なんてされないでおくれよ...^^; マイノリティーが集まれば、それはマジョリティーになり得るといった人がいた。 確かに、カリフォルニアなどでは、全人口に対する、スペイン語を話すヒスパニック系(主にメキシコ人)の割合は急激に増えており、あと10数年もすれば彼らの数は現在のマジョリティーである白人の数を追い越すともいわれているし、私の住むオレンジカウンティにはアジア系の人数もものすごく多い。 かつてはマイノリティー、つまり少数派と呼ばれた人たちが集まり、マジョリティーになりつつあるのである。 そんな風に、サラダのそれぞれの具ばかりが増えているだけという状態のアメリカも、 本当の意味での多国籍国家として、いつかは本当の「坩堝」になれる日が来るのだろうか... タワゴトかもしれないけれど、そんな夢くらい見たっていいのではないか...と、マイノリティーの一員としての私は思ったりもする。 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師・1929-1968)のスピーチより 1968年4月4日に暗殺されたキング牧師殿、 今日、アフリカ系アメリカ人として初めての米国大統領が誕生しましたよ。 ⇒バラック・オバマ氏について(ウィキペディア) ⇒アメリカの人種差別について(ウィキペディア) ⇒指導者マルコムXとアメリカの黒人差別(ウィキペディア) ⇒キング牧師(ウィキペディア) ⇒KKK=クー・クラックス・クラン(ウィキペディア) ↑久しぶりにややシビアな内容となったけど...ちょっとでも興味を持ってくれたらポチっと応援ありがとう♥ 追記: オバマ大統領の誕生にちなんで、日本の福井県小浜市が、読み方が同じだというだけでキャッキャとはしゃいでいるそうですね。 アメリカの頂点に立つことになったオバマ氏に「特別名誉市民」としての称号を贈るだの、そういう無意味なことはやめて欲しいと個人的に思います。 そんな風に、レベルの低さ、アホっぽさを全世界にカミングアウトする必要はあるのか? 同じ日本人として赤面モノです。 歴史に残る真剣な1ページを、町おこしに使うべきではないと思うのに... ああ、まったくもう...みっともないったらありゃしない...国辱だわ。 Top▲ |
by mari_ca
| 2008-11-05 16:33
| 異国文化
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