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アメリカ最高峰というホイットニー山(4418m)を含むシエラネバダ山脈を左手に、395号線を北上する。
シエラネバダ山脈の向こう側は、ヨセミテ国立公園。 右手に見えるこちらもまた大きな山脈の向こう側はデスバレーの北端あたり。 またもや、そんな、人里離れたところにやってきてしまった。 Big Pineという小さな小さな町(自宅から445km)で、今度は168号線に乗る。 舗装してあるものの、ウネウネした山道。 このあたりの標高はおよそ8,000フィート(約2438メートル)。 13マイル(23km)ほど走り、今度はホワイトマウンテンロードという名前の山道に入る。 ちょっと気を抜くと崖っぷちから車ごと転げ落ちそう。 ホワイトマウンテンロードをさらに7マイル(11km)ほど走る。 かなり高いところまで来たなあ... そしてついにやってきたよ。 古代松の森は、Schulman Groveと呼ばれるところにあり、標高は10,100フィート(3048m)。 ここには、ブリストル(またはブリスル)コーンパインという、驚くほど樹齢の高い松の木が、森を作っている。 メジャーな観光地と比べるとあまり人は来ないと思うのだけれど、一応キレイに舗装された駐車場があるので、そこに車を停める。 さあ、ここからトレールを歩かなきゃ、その森は見られない。 トレールは全長6.8km。 平坦な道なら1時間半くらいで歩けると思うけど、かなり高低のある細い山道。 ところどころには雪も積もってるし...標高は高いし...軟弱ハイカーの私たち、大丈夫かなあ??^^; 樹齢が高い松の木の森といったけれど、いったいどのくらい古い木々なのかって? 平均樹齢はなんと3000年以上。 4000年を越えているものも少なくないとか。 そして、この森には知られている限り世界で2番目に樹齢が高いといわれている、Methuselahと呼ばれる木もある。 その樹齢は4700年を越えているという。 まさに、Ancient(=古代の)森なのである。 (注:2008年春にSwedenで樹齢9550年の木が発見されるまで、このMethuselahは世界最古の木としてギネスブックに載っていた。また、日本の古木として有名な屋久島の縄文杉の樹齢は数多くの説があるが、調査が難しいこともあり、今のところ最終確定はされてないらしい) ⇒屋久島の縄文杉について ブリストルコーンパインという木は、長く生きるだけではない。 木というものはこういう形をしているもの...という固定観念を見事に打ち破ってくれるのである。 ほら、見てよ、この形! これが見たくてこんなに遠くまで来ちゃったのだ。^^ ティム・バートン監督の映画にでも登場しちゃいそうな姿。 オ・レ・は、木だっ!生・き・て・るんだ~!って、今にも叫びだしそう。 自然が作り上げた見事な芸術作品の数々に、こちらはもう言葉も出ない。 写真ごときでは、実物の迫力とエネルギーをまったく伝えることができないなあ... 実物はホントにホントにスゴイんだけど。 標高3000メートルの山奥で、みんなそのねじれた手を宇宙に向かって思いっきり差し伸べている。 月の光を浴びながら、あたりを気にしつつ抜き足差し足忍び足... そんな風に、まるで昔のディズニーアニメみたいに、音楽に合わせて木々が動き出しそう♪ 不気味だと思う? それとも美しいと感じる? 実は6.8kmのトレールは、かなり高低があり、場所によっては20cmほども雪が積もっていたりして、しかも標高が高い場所だったので、決して楽ではなかった。^^; ひと一人がやっと通れるようなところも多かったし... (立ち止まって写真を撮ったり、一休みしたりすることも多く、結局トータルで3時間かかった) でも、頑張ってよかった。 初めてここの木々の写真をネットで見たときから、いつか自分の目で見てみたい...って思ってたんだもの。 自然の偉大さに圧倒されるということが、好きなのである。 もちろん、本格的に地球のあちこちを冒険している人たちに比べたら、私とJが自分たちの足でそこまで行って、どうにか見ることができるモノなんて限られているけれど、それでも可能な範囲でいいから、やれるとこまでやってみたい。 見られるモノは見てみたい。 今日は、4000年も生きてきた木々たちと、100年も生きない私たちが触れ合えたというだけで嬉しかった。 そっとその幹に触れてみると、サラサラした手触り。 耳をあて、幹をコンコンと軽く叩いてみると、ポンポンと、まるで木琴のような軽快な音が響いたよ。^^ それにしても4000年かあ... 単純に計算して紀元前20世紀。 その頃のヒトって何してた?日本は縄文時代の終わり頃? そんな時代に発芽して、それからここまで生きてきた。 今、彼らの種から発芽している個体も、これから数千年も生きることだろう。 いつの日か地球が人類という害虫の駆除に成功して また世界に平穏なときが戻ってきたその日にも 冬は氷点下30℃にもなるというこの山奥で、 彼らや彼らの子供たちはひっそりと生き続けていることだろう。 ところで、Methuselahと名づけられた最古といわれるブリストルコーンパインには結局会えなかった。 これがそうですよ...と、せめて小さい看板(?)があると思ってたのに、そんなのなかった。 どこかで見落としちゃったのかなあ??見たかったのに...どこにあったの??なんで見逃しちゃったのかなあ??と思いつつ、6.8kmを歩き終わった後、入り口でもらった小さなパンフレットを再び細部まで読んでいたら、こんな一文が目に入ってきた。 『Methuselah has not been identified for protection』 ......えええええええ?!?! 保護目的のため、どの木が最古のMethuselahであるか訪れる人にはわからないようにしてあるんだと?! つまり、「これが最古のMethuselah」とか書いちゃうと、枝をポキンと折って持ち帰ろうとするバカや、幹に名前を刻んだりするアホが出てくるかもしれないから、どれがMethuselahなのかわからなくしちゃえばそんなこともない...ってこと~~?? (でも実際にはこの森の中にはゴミ一つ落ちていませんでした) そりゃ...保護目的としてはそれ以上効果のある方法はないだろうけど... ネットで探してみても、それらしき画像は出てこなかった理由はこれだったのか。 というより、「これでは?」と撮影者が想像している違う木の画像がいくつか出てくるんだよね。(笑) まあ...秘密にしてあるのならそれも当然なんだろうけどさあ... でも...見たかったよ~~!わ~ん!^^; ※Methuselah(メスセラ)というのは、創世記に出てくる969歳まで生きた男の名前。 長い年月を生きてきた生物や植物に、象徴的につけられることが多い名前である。 ※ここを訪れる年間訪問者はわずか6万人と少ない。 公園当局者によると、保護のために広報活動などは一切していないとか。 観光地にしたくないのである。 ちなみにヨセミテ国立公園への年間訪問客数は400万人を越える。 ⇒科学する邪馬台国・木の科学・木の年齢測定 ↑神々しくさえも見える古木たちがいつまでも守られますように...と、ポチっと応援ありがとう♥ Top▲ |
by mari_ca
| 2008-11-11 00:30
| Nature
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